容姿・経歴・その他メモ

生まれ
神官の家庭に生まれた。母親も生きている。取り上げた産婆は僕を殺そうとしたらしいが、父が……そして何より母がそれを止めた。神官であるこの家に生まれたのは、傷を癒せるからだと。生まれたことにこそ意味があるのだと。
成長していくうちに、やたらめったら「幸せ」だの「全体の幸福」だのと言い続けられた。
許嫁も与えられ、結婚までしたが、相手に申し訳がなさ過ぎて殆ど会わなかった。相手もあまりにも"善人"だったからだ。ナイトメアである自分を差別しないのは、家族とその人だけだった。
やがて現状に甘んじ続けることに苦しみを感じ、出奔した。幸せは時に毒となる。

知識だけは自身を裏切らなかった。その中でも特に死霊術に関するものは大きく自身の興味をひいた。脳幹がうずくような心地よさを感じた。そして、家族と自身との違いもハッキリと自覚してしまった。その技を、術を習得していく中で、世界がどんどんと広がっていくのを感じた。

風の噂で、家族が死んだと知った。蛮族の襲撃に遭ったらしい。よくある話だ。不幸なのは、唯一の生き残りである自分が、ナイトメアであることだろう。忌み嫌われる自分を家族として愛してくれたことを思い出した。ナイトメアである自分を愛してくれた人たちがいたことも思い出した。もう取り戻せない。せめて仇ぐらいはとってやろうと決めた。
そうして、自分を縛る全てを断ち切る自由を手に入れるための旅がはじまった。

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