容姿・経歴・その他メモ

身長

162～3cmほど

髪

ながめ　ワインレッド系

瞳

肌

きれい（きずあり）

経歴

目標としている人がいる
体に傷痕がある
命を救われたことがある

「私はクラヴィス・ルミノクス。旅の射手で、武器は弓。役割は壁。場合によっては盾も持つ。ってことで、よろしく頼むわね」
「私、実は誰かと一緒に戦ったことなんてほとんどないの。ずっと一人で生きてきて、ある日、命を救ってくれた「恩人」にいろんな戦い方を教わった。そして、私に合っていたのが、「これ」だった、ってわけ。……憧れもあるけどね」
「ああ、もう！無茶しないの！……あああ、こういうとき「仲間」ってどうすればいいのよ……どう接するのが正解なの……！？」
「貴女には家族はいる？信頼できる仲間はいる？……そう、私もいずれ、そんな人と出会いたいわ」
「私は強くなりたい。あの人のように、多くの人を守れるように……私は貴方に救われた、貴方の教えが、遠く離れた地でも生きているんだって証明したいの。私が強くなれば、きっとあの人にも届くはずだから」



　長い髪と身体に傷痕を持つ、射手の女性。
　「魔器」と呼ばれる特殊なアイテムを使い、今は守ることを第一としているが、実際には一人で戦ってきたために守る経験は殆どなく、以前は攻撃一辺倒な戦い方をしていた。
　かつて出会い、自分の命を救ってくれた「恩人」である旅人は、多くの戦い方を知っていた。
　そんな「恩人」に教わった戦い方の中で、一番性質に合っていたことと、目指したい戦い方が守る戦い方であったために選んだという。
　なお、ぶっきらぼうにも感じるが、今まで「仲間」というものと縁がなく、「仲間」とはどう接すればよいのか分からないというのが本音。
　
　つまり、クラヴィスは旅する射手であり、特殊な武具を身に纏う「盾」でもある。
　身体に残る傷痕は消せないわけではない。彼女自身が望んで残しているものだ。
　『自分を変えてくれた「恩人」である旅人との出会いを決して忘れたくない』、とクラヴィスは言う。



■クラヴィスの過去

　クラヴィスはとある貧しい街の子として生まれた。
　しかし物心つかぬうちから両親が亡くなったため、親の顔は覚えていない。
　貧しさから引き取り手もおらず、幼い頃から一人で生きる術を身に着けざるをえなかったが、クラヴィスは強く生き続けた。
　信じられる者はおらず、生きる糧さえも安定しない日々だったが、いずれ何かを掴むため、生きることを諦めなかった。
　例え貧しく生きようと、心まで貧しくなりたくはない、と強い意志を持ちながら。

　10を過ぎた頃、クラヴィスは弓を手に一人、街を出た。
　そう戦える力も持っておらず、一人だと危険だということは理解していた。「冒険者」としてパーティを組む選択肢もあった。
　だが、誰かと共に行動することが、誰かを信用することが、一人で生きてきたクラヴィスには恐ろしかったのだ。

　ある日、クラヴィスは不幸にも「奈落の魔域」に巻き込まれた。
　発生予測なんて出来やしない、冒険者ギルドも遠く、救助など望めるはずもない。
　退路も断たれ、襲い来る魔神たちに対し、クラヴィスは弓を構えた。

　────自分が決して敵う相手ではない、立ち向かったところで、まず間違いなく死ぬだろう。
　頭の中ではそう理解していたが、何もしないまま死ぬ、などという選択肢はクラヴィスには無かったのだ。

　奇跡なんてそうそう起こるはずもなく、クラヴィスは傷だらけになり、死の淵に追いやられた。

　「一人で死にたくない」「誰か、助けて」。

　死の間際、自分でも思っていなかった言葉が口から零れた。
　ああ、そうだ。やっぱり寂しかったのだ。強がってはいたが、ずっとずっと誰かに、手を握ってほしかった。

　「────」

　誰かが、私に何かを訊ねた気がした。私もまたそれに何かを答え────────


　クラヴィスが意識を取り戻した時には、「奈落の魔域」は消滅、魔神はすでに討伐された後だった。
　偶然にも「奈落の魔域」に共に巻き込まれた旅人が救ってくれたのだという。
　人を守るため、人々を遠い遠い国から旅をしているのだ。という旅人はとても強く、優しく、クラヴィスにはその旅人が自由で輝いて見えた。
　そして、初めて「優しさ」に触れ、人を恐れて拒み続けた弱い自分がひどく情けなく見えたのだ。

　旅人に治療を受けながら、クラヴィスは旅人から多くの話を聞き、多くのことを教わった。
　旅の知識、身を護るための力、様々な技術。「誰かを守る」という戦い方。

　旅人に何かを願うと、必ずその理由を訊ねられた。
　クラヴィスがその理由を答えると、旅人は必ず応えてくれた。
　毎回のこのやり取りがどこか不思議にも感じたけれど、クラヴィスはそんなやり取りも好きだった。

　旅人は多くの話もしてくれた。吟遊詩人が語るような多くの英雄譚の中には、彼自身のものも含まれていた。
　旅人がかつて仲間と遠い国で戦ったという強大な敵。人を愛した剣の話。悪を喰らい呪われた地を救う英雄の話。恐ろしい敵との戦いの末、大切な剣を取るため人となった獣の話。
　一人で生きてきたクラヴィスには何もかもが新鮮で、誰かを気に入ったというのも、初めての経験だった。


　やがて、旅人と別れ、クラヴィスは再び旅に出た。

　あの優しい旅人は、私の人生を変えてくれた。私を救ってくれた。
　旅をしていれば私もあの旅人のようになれるのだろうか。いつか信じられる仲間と出会えるのだろうか。

　……次は何処を目指そうか。旅人の話を思い出して空を見上げ、ふと耳に挟んだ"大都市"の存在を思い出した。
　天、星……そうだ、月。月面の「"楽園都市"アディオプティス」。

　月にはきっと知らない世界が待っている。見たことのない力もきっと眠っている。
　「月」で、私はもっと強くなる。なんだって守りとおせるぐらいに強くなる。
　あの人みたいに誰かを救えるように。大切な人が出来たときにしっかりと守れるように。誇れる自分になるために。


　────そしていつの日かあの旅人に会えたとき、改めてお礼をするんだ。

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